Introduction

The Japan Romanticism Academia

 

日本浪漫学会 会長 濱野成秋(Seishu Hamano)

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設立の趣旨(Concept of Establishment)

 みなさん、こんにちわ。海外のみなさんは、茜さす…で始まる額田王の和歌が何という大らかで光り輝いでいるか、ご存知ですか?これは1000年以上も前、日本の女性歌人、といっても宮廷の皇女が詠んだ歌で、「茜差す紫野ゆき標野ゆき野守が見ずや君が袖振る」と詠んだ宮廷恋愛の歌の出だしです。茜さす野原でまばゆいばかりの月明りを浴びて私に手を振って下さるあなた、それは嬉しいけれど、森番に見つかりますよ」と、はらはらして見守る情景を描いた歌です。なんと幻想的なことよ。日本には、こんな浪漫文芸が太古の昔からあるのです。我々の学会は昔を偲ぶだけではありません、中世を経て明治に至り、そこで開花した浪漫主義を経て現代人の浪漫につなげます。といっても読むだけではなく、自らも浪漫詩や歌を作る歌人にもなりますし、エッセイも書き、映像作品を集めて機関誌「オンライン万葉集」に掲載して「日本の和の心」を世界に伝える、そんな使命をもって発足、早くも3年目になります。

1.この学会のコンセプト(concept of our academia)

⑴ リアリズム・アートを動かす新浪漫主義:

みなさん、現代の文芸はリアリズム一色のようですが、それでよろしいですか? 違いますよ。ファンタジーありミステリーあり、情熱的な恋愛あり。これらは皆、リアリズムの論理だけでは解決できないことと取り組んでいます。人間の情念は常に人々の行動を理詰めで律しているようですが、実は心のうごくままに右往左往しているのです。恋愛結婚しかり、離婚の嘆きもしかり。情念の支配する人間関係を綯い交ぜにした果てです。愛憎の世界があるからこそ、私たちはリアリズムの科学文明を背景にして人間生活が営めているようで、じつは浪漫の心の働きが理性や人智よりも支配的に展開していると言うべきでしょう。
 

⑵ ジャンルは多彩に:

浪漫の創造性は凄い。文芸のみならず映像、音楽、演劇、工芸、デザインからカラオケに至るまで実に多彩です。われわれは太古の昔のように、ジャンルを短歌だけに限定するべきではないと思います。一歩街に出れば、浪漫コスチュームを着て京都祇園をねり歩く。この国際性も浪漫の発露です。それが日本ですから、ためらわず多種多様なアートを投入してこそ、在りのままを創造できます。インターネットで登場中の「オンライン万葉集」はまさに多彩な事業を展開することになります。
 

⑶ 浪漫の主体性を維持したい:

ポピュリズムの氾濫するこんにち、私たち浪漫主義再興の産声はある種のカウンター・カルチャー運動であると同時に、晶子の「やわ肌に…」の歌が商業主義に利用されたように、文芸芸術活動全般が今やコマーシャリズムの手先に陥る傾向がある。これは残念なことだと済まさず、我々の浪漫運動はクリエイティヴにひたすら大らかな人間性に立ち還って日本独自の浪漫主義を世界に示して、浪漫の主体性を維持したいのです。
 

⑷ 人種、政治体制、宗教、を超越して人類愛で生き続けよう:

僕らは人類です。国境を設けません。また政治や宗教、人種的偏見など、諸問題を一切超越して活動を続けます。人類はみな仲間です。リスやウサギやクジラや狼も友達です。敵はコロナやペスト菌など、極小の病原体だけです。生存競争では魚や哺乳類や野菜や鶏を食べることもあります。しかし食べもしないのに政治家の縄張り争いに服従して人類の生命を何百万と殺しに行くような愚行は致しません。科学文明は英知さえ立派にあれば、有益ですから、その英知を育てましょう。わが日本浪漫学会は常に英知をもっていき抜く集団です。

⑸ 500先に開陳するタイムカプセルに容れます:

人間が科学文明を持ち込むとろくなことがない。次々と飛んでもない事態を引き起こした。人間が人間をガス室に閉じ込めたり、市街地の上空から10万人規模で殺したり。この100年は過去1000年の何万倍もの罪過を引き起こしながら、科学文明のお陰で人類は幸せだと信じて疑わない。この先、地球が何年もつか。だからこのカプセルだけはしっかり隠して西暦2500になったら、開封せよと言い伝えます。世界中の皆さん、僕らの「オンライン万葉集」にお入りなさい。

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