投稿

初めての告白  高鳥奈緒   2023.7.7
 
放課後の体育館の裏で待ち合わせ
勇気を出して秘密の告白
怖かった恋の告白
卒業前にしてやっと打ち明けたけれど
あなたは微笑み浮かべて聞いていただけ
 
俺の気持ちはあえて言わない
明言を避けられた
分からないまま卒業した
偶然何処かでまた会えたらと願う気持ちも無惨
あれからいくつかの春が過ぎた
 
今更だけど、わたしはただ振られたのね
あなたの心の人ではなかったのは悲しいけれど
傷つけないように遠ざかるあなたの優しい思いやり
そんなあなたを好きになって良かった
わたしの初めての告白
空に癒されて  高鳥奈緒   2023.7.6
 
空ばかり見ていたあの頃
気がつけば空に癒されていた
同じようだけど
同じ空は二つとなくて
わたしは空の写真を夢中で撮影した
 
当たり前だけれど青空ばかりじゃない
灰色の空から涙の雨も降る
やがて雨はやんで虹のアーチがかかるのよ
何色ともいえないグラデーション
私は空が好き
 
海に沈む夕陽をずっと見ていた
まるで一つの舞台を見終わるような感動
そして舞台の幕は降り
夜のとばりへと私をいざなう
満天の星空がきらめき
ささやかな願いを祈る
満月はストロベリームーン
ロマンチックに乙女な気持ち
どれほど空からプレゼントを受け取ったかな
どれだけ生きる力を与えてもらったかな
時々小さな小石につまずくけれど
そんな時は空をみあげる
ちっぽけな悩みに気づく
空は常に心になにか語りかける
幸せも不幸もずっとじゃないよとつぶやく
空も同じじゃないのね
空に癒されて…
空にそっとありがとう
残り19%  高鳥奈緒   2023.7.5
 
旅先で携帯の充電器忘れた
 
恋人もつれなくて
 
冷たくてやるせない
 
充電の残量あと19%
 
私の心の残量もあと19%
 
心のエネルギーあげたら
 
もっとバロメーター上がるかな
人生って  高鳥奈緒   2023.7.6
 
どうやって生きてきたのだろう
たった一つの困難が
いま私の前に壁になっている…
 
いつまでもこんな所に居ちゃだめだ
それはわかっているつもりだけれど
逃げ道も抜け道も見つからない
この苦しみをどうしようか
もがいても、もがいても
解決など見当たらない
まるでもつれた毛糸玉だ
 
もっと手放して俯瞰して遠のけて
もつれた毛糸をほどきたくて
でもほどけないから
情けなくて悲しくてみっともない
小さな自分がいる
せめて時よ、早く過ぎてよ!
楽しい時間は、あっという間だというのに
皮肉にも残酷にも、ゆっくりと感じている時間
毛玉がもつれて私の首を締め付ける
苦しい、他に出来る事見つけなくちゃ
目を背けて自分の舵を切りなおす
この苦しみを放置したまま
生きるって一筋縄ではいかない
どんな困難も乗り越えてきたというのに
わたしはもっと強いはずよ
試練の多い私の人生
人生ってままならない
それが人生なんだって
自分に言い聞かせて
じっと見る手帳のページ…
向日葵の花のように  高鳥奈緒   2023.7.3
 
梅雨明けても晴れぬこころ
わたしのこころは梅雨空まま
今年も暑い夏が来たのね
どんな夏を迎えるのだろう
 
向日葵の咲く浜辺
太陽に向かって大輪の花
わたしもこんな風に生きられたら
お天道様に顔を向けて
 
堂々として誇らしげに
自分らしく咲きたいの
向日葵の花のようになりたい
自分って、本当になれるの?