津軽の花火  高鳥奈緒   2023.7.28
 
今夜は祖母の着付けでおめかし
恥じらい躊躇ためら浴衣ゆかたのわたし
気持ち焦って早足だから
下駄の鼻緒がちょと痛い。
 
ぼんぼり提灯ちょうちん商店街
行きかう人の笑顔も揺れて
こんなに人がいたんだここに
黒いシルエットは岩木山
 
闇に溶けてく川沿いの
広場に着くと流れてる
曲に合わせてドンと鳴る
光の輪が闇空に
はじける花火に泣き黒子ぼくろ
わたし泣いてる暗闇で
わいわいがやがや
わくわくどきどき
光が重なり空高く
たまやーたまやー
津軽まで来てまで断ち切れぬ
思いがまとう津軽の花火…
玉屋がとりもつ縁かいな