愛ゆえに  高鳥奈緒   2023.11.30
 
ひとつの恋が終わると
どんな素敵に輝いた日々も
人は忘れてしまうのかな
自然と徐々に薄れて消えるの?
だからこそ人は立ち直り
やがて前にも歩き出せるのかも
 
良い記憶より悪い記憶が上書きされるのはなぜ
それは傷つく自分を守る唯一の手段なのね
悲しみが記憶にかさなると、まるで被害者のようだけど
それで強くなれるのだ、決して自分だけではないと気づいて
僅かな時間でも確かな愛があったことを
忘れないで忘れたくはないと考えて
 
すべてが消えてしまうのは別れよりも悲しすぎる
誰よりも本気で愛した貴方だから
こんな結末とわかっていても
まだ貴方を憎みたくない恨みたくないのよ
この愛を消せない愛を消さないで
 
 
綺麗ごとじゃなく苦しいけれど
時間をかけて貴方という執着を手放すわ
静かに身を引くということも
一つの愛だとわかったのよ
今までの大切な時間を水の泡にしたくない
自分に誇らしく堂々としていたいの
 
そして毅然と美しく終わらせたいのよ
何と言われようがいいわ
私にとってかけがえのない愛だったという事実
愛は、やがて夜空で光る星になるの
輝く星は、貴方という名の真冬の星座
オリオンに貴方のお幸せを祈って・・・
それは愛ゆえに