天使と悪魔  高鳥奈緒   2024.1.21
 
天使が私にささやく
正しく生きよ
人に真心を尽くせと
 
つまずいて悪魔が現れた
だから信じるなといっただろう
ほら、お前だけ傷ついたと
 
天使は黙って微笑んでいた
先へ歩けばきっとわかるというように
 
私は天使と悪魔をにらめっこさせた
選ぶのは私らしい
天使の微笑みに慈しむのか
悪魔の優しい声に誘われるのか
 
立ち止まって冷静に我に返って
笑顔でいたい!と叫んだら
はっと目が覚めた
明るい窓の光が眩しすぎる日曜日の朝
額には汗をかいている
だけど光に包まれて安堵の心がよみがえった