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津軽の花火  高鳥奈緒   2023.7.28
 
今夜は祖母の着付けでおめかし
恥じらい躊躇ためら浴衣ゆかたのわたし
気持ち焦って早足だから
下駄の鼻緒がちょと痛い。
 
ぼんぼり提灯ちょうちん商店街
行きかう人の笑顔も揺れて
こんなに人がいたんだここに
黒いシルエットは岩木山
 
闇に溶けてく川沿いの
広場に着くと流れてる
曲に合わせてドンと鳴る
光の輪が闇空に
はじける花火に泣き黒子ぼくろ
わたし泣いてる暗闇で
わいわいがやがや
わくわくどきどき
光が重なり空高く
たまやーたまやー
津軽まで来てまで断ち切れぬ
思いがまとう津軽の花火…
玉屋がとりもつ縁かいな
Wonder・・・  高鳥奈緒   2023.7.26
 
世の中は wonder
美しいから。
ほらみて
世の中は wonder
言葉にできない景色をみるの
世の中は wonder
あなたにしか見えないから
世の中は wonder
あなたに教えてくれるから
世の中は、あなただけの wonderなの
生きるって  高鳥奈緒   2023.7.26
 
生きるって・・・たんたんと
生きるって・・・ひょうひょうと
生きるって・・・流れに逆らわないこと?
生きるって・・・ありのままを受け止め
たんたんと
ひょうひょうと
生きるってことなのかもしれない
青いイトトンボ  高鳥奈緒   2023.7.5
 
あの葉の上に止まったよと
指さす私に
どれ?というあなた
あれはイトトンボだよと
あなたが教えてくれた
 
細く青く光るイトトンボ
かよわそうに一瞬ふわりと高く飛んで
また、後ろ髪を引かれるように
わたしとあなたについてきた
 
青いイトトンボ
知らぬ間に姿を消した
青いイトトンボ
今はいずこに・・・
幸せの風船  高鳥奈緒   2023.7.8
 
街で見かける恋人や家族たち
みんな幸せそうに微笑む
昨日までの私もきっとそうだった
いつも、普通の幸せが欲しいだけなのに
わたしの幸せの風船
また放してしまった
 
空高く飛んで小さくなって消えた
なすすべもなく立ち尽くす私
虚しくて心は空っぽ
あるのは、この手に残された感触だけ
忘れないその指の感覚
またひとりぼっち