幸せの風船  高鳥奈緒   2023.7.8
 
街で見かける恋人や家族たち
みんな幸せそうに微笑む
昨日までの私もきっとそうだった
いつも、普通の幸せが欲しいだけなのに
わたしの幸せの風船
また放してしまった
 
空高く飛んで小さくなって消えた
なすすべもなく立ち尽くす私
虚しくて心は空っぽ
あるのは、この手に残された感触だけ
忘れないその指の感覚
またひとりぼっち