儚いけど咲く桜のように  高鳥奈緒   2023.7.1
 
ひとの命は儚い
まるで春の日の桜
あと桜の花は何回見られるの
私が生きている間なの?
 
お兄様は今年の桜を知らずに逝ってしまった
突然のお別れだった
予期せぬ出来事だった
心がついていかないよ
 
いろいろ悲しみを知っているつもり
でもこれほどまでに悲しいことはあったかな
儚く散る桜に重ね合わせると
そっくり悲しみに包まれる
お兄様。君の在りし日の姿は
みえかくれする
笑顔といっしょに
初めて分かったの大切だったって
 
尊くて大切なものは
二度と戻らない日々だった
お兄様と遊んだ幼い頃は
頼もしくて穏やかで楽しい
 
ついこの間のようね、だけど
私の記憶の中にしっかりと生きて
お兄様は教えてくれる、桜も、わたしも、
いつか命を散らす日を迎えるんだってことを