花びら  高鳥奈緒   2024.3.28
 
桜吹雪の目黒川
今年も賑わうけれど
東横線の駅からひとり降りて
川沿いを人混みに紛れ歩く私
美しい満開の桜だけど
私の心は目黒川に落ちた
一枚の花びら。
 
流されて 流されて 
ゆらゆらと何処までも
後ろ姿に悲しみの影をひいて
ひとり歩く とぼとぼと
 
 
桜吹雪舞う目黒川
花びら風に舞って私の髪に絡むの
淡い色の薄桃の優しい色は
まるで貴方の言葉みたいね
耳に残って今も消えないわ
嘘ならいらない、もういらないのに
幻の貴方の言葉が聞こえてくるわ
愛している、愛している奈緒と・・・
 
桜吹雪舞う目黒川沿い
後ろ姿に寂しさの影をひく女が
ひとり歩く とぼとぼと