古風な女です 高鳥奈緒 2023.12.7
わたし意外と古風な女です
夜なべして手袋を編んでいます
もう直ぐあなたのお誕生日ね
あなたは知らないから驚く顔が見たいのよ
一針、二針と進める指先は
想いを込めながら優しい記憶に浸る深夜
どうか届いて欲しい
わたし意外と古風な女です
あなた色の毛糸は癒しの色
編みあがったらその手荒れした大きな手を
この手袋で温めてあげたいの
心はもつれた毛糸玉
うまく伝えたいから
はやる気持ちを落ち着かせて
わたし意外と古風な女です
夜なべして手袋を編んでいます
もう直ぐあなたのお誕生日ね
あなたは知らないから驚く顔が見たいのよ
一針、二針と進める指先は
想いを込めながら優しい記憶に浸る深夜
どうか届いて欲しい
わたし意外と古風な女です
あなた色の毛糸は癒しの色
編みあがったらその手荒れした大きな手を
この手袋で温めてあげたいの
心はもつれた毛糸玉
うまく伝えたいから
はやる気持ちを落ち着かせて
もう直ぐあなたのお誕生日
「奈緒から・・・お誕生日おめでとう!」
後ろ手に隠した包みは手編みの手
「わたし意外と古風な女です・・・」
そういって手渡した手編みの手袋
ふと見た彼の手には既に素敵な革の手袋が
マフラーにすればよかったかな
悲しい恋の結末ね
古風な女は不器用な女
あなたは苦笑いで優しいわ
言葉じゃ伝えきれないから
不器用なわたしは毛糸と悪戦苦闘
愛は人を変えてしまうのね
こんな自分に戸惑うばかり