儚いけど咲く桜のように  高鳥奈緒   2023.7.1
 
ひとの命は儚い
まるで春の日の桜
あと桜の花は何回見られるの
私が生きている間なの?
 
お兄様は今年の桜を知らずに逝ってしまった
突然のお別れだった
予期せぬ出来事だった
心がついていかないよ
 
いろいろ悲しみを知っているつもり
でもこれほどまでに悲しいことはあったかな
儚く散る桜に重ね合わせると
そっくり悲しみに包まれる
お兄様。君の在りし日の姿は
みえかくれする
笑顔といっしょに
初めて分かったの大切だったって
 
尊くて大切なものは
二度と戻らない日々だった
お兄様と遊んだ幼い頃は
頼もしくて穏やかで楽しい
 
ついこの間のようね、だけど
私の記憶の中にしっかりと生きて
お兄様は教えてくれる、桜も、わたしも、
いつか命を散らす日を迎えるんだってことを
ふたりの居場所  高鳥奈緒 June 23, 2023
 
ここにふたりの居場所がある
やすらぎという居場所
 
あなたと一緒に居ると
何でもない道も
ときめく道にかわる
 
あなたと一緒に居ると
何でもない一日も
特別な記念日にかわる
 
ふたりの居場所
温かく心地よいところ
幸せ満ちるところ
 
ふたりの居場所
ずっと大切なところ
ユキノシタ  高鳥奈緒
 
梅雨の晴れ間
二人の旅路は奇跡
訪れた縁結びの神社
何も考えずに二人手を合わせた
 
わたしより長く手を合わせていた彼を
横目で見ていたわたし
ずっと傍にいたいから
わたしもまた手を合わせた
 
境内の石垣に二つ寄り添うユキノシタ
岩にひっそりと咲いていたユキノシタ
この花になりたい
真っ白な可憐なユキノシタに
屈辱  高鳥奈緒
 
傷つくのよ
あなたと居ると
あなたの優しさが
私には屈辱
 
女として見ていないあなた
そんなに気のあるふりして
私を引きつけるズルイ人
 
いっそのこと冷たくしてよ
突き放してよ
そうしたらもっとラクなのに・・・
 
私にはこれほどの屈辱はないわ
不満は言わない誓い  高鳥奈緒
 
不満は言わない
不満があるけれど・・
不満なんて言いたくないから
 
全てが言い訳に聞こえる
自分に理屈っぽい
 
人のせいにしたくない
わかったつもりだけれど
 
きっと今の自分を作ったのは自分の責任
全ては自分が選んだ道のり
 
不満なんて言ったら卑怯になるよね
いつだって潔くいたい
 
自分のことくらい自分で守るから
自分の意志で生きたい