ユキノシタ  高鳥奈緒
 
梅雨の晴れ間
二人の旅路は奇跡
訪れた縁結びの神社
何も考えずに二人手を合わせた
 
わたしより長く手を合わせていた彼を
横目で見ていたわたし
ずっと傍にいたいから
わたしもまた手を合わせた
 
境内の石垣に二つ寄り添うユキノシタ
岩にひっそりと咲いていたユキノシタ
この花になりたい
真っ白な可憐なユキノシタに
屈辱  高鳥奈緒
 
傷つくのよ
あなたと居ると
あなたの優しさが
私には屈辱
 
女として見ていないあなた
そんなに気のあるふりして
私を引きつけるズルイ人
 
いっそのこと冷たくしてよ
突き放してよ
そうしたらもっとラクなのに・・・
 
私にはこれほどの屈辱はないわ
不満は言わない誓い  高鳥奈緒
 
不満は言わない
不満があるけれど・・
不満なんて言いたくないから
 
全てが言い訳に聞こえる
自分に理屈っぽい
 
人のせいにしたくない
わかったつもりだけれど
 
きっと今の自分を作ったのは自分の責任
全ては自分が選んだ道のり
 
不満なんて言ったら卑怯になるよね
いつだって潔くいたい
 
自分のことくらい自分で守るから
自分の意志で生きたい
鬼怒川の流れ  高鳥奈緒
 
鬼怒川の清き浅瀬に流すのは恋の灯籠
感情という吊り橋が胸を揺さぶる
ただよう心がつかめなくて、やり過ごすのは無残な自分
 
でも本心は知っているつもり
だから本気で怒れない
こんな想いだけ似ているのよね、あなたと
 
愛は許すこころ
でも許すってことは、愛じゃないかも
あなたは、わたしの心を流す
わたし、許してないのよ
わかり合いたい
でもわからない
あなたとわたし
 
鬼怒川の流れにそっとこの気持ちを流してるの。
ロマンス  高鳥奈緒
 
見つめる瞳と瞳
言葉はいらない
ときめく胸
あなたと二人
時空を超えて異空間に漂う蜃気楼
秘密の約束またひとつ
胸の鼓動は素直に
ドキドキ高鳴る
そっとキスしてください
甘くとろける心地
満たされたハート
でも苦しくて息出来ないほど
ハートのドキドキがあなたに聞こえそうではにかむ
伸ばした指先が触れあい握りしめた手と手
あなたの手の温もり
あなたの力強さ
あなたの香りに酔いしれて離れられない