葛藤ばかりの自分  北見 薫   2023.7.31
 
誰かに届けたい自分の真心
十年もの年月、床に伏せてしまった
人にしてもらうばかりの人生だった
いったいこんな人間に何ができるのか
不甲斐なくて情けない葛藤ばかり
 
手のひらをじっと見つめて固く握りしめると
気がつけばもうこんな年になっていた
焦りだけが胸によぎる
その時バタバタとはばたく鳥は
ムクドリだ
 
そんなにも慌ててどこへ行く
この私を置き去りにして
メタセコイヤの森の果てへ消えていった
ヘリコプターが私を現実界へと呼び覚ます
再び静寂に戻った午後の緑地
自分に葛藤  北見 薫   2023.7.31
 
誰かに届けたい私の真心
十年もの年月、床に伏せてしまった
人にしてもらうばかりの人生だった
自分に葛藤がある
いったいこの私に何ができるのだろう
不甲斐なくて情けない葛藤がある
手のひらをじっと見つめて固く握りしめた
気がつけばもうこんな年になっていた
焦りだけが胸によぎる
その時バタバタと鳥は急いだ
ムクドリよ
ムクドリたちよ
そんなにも慌ててどこへ行くのか
この私を置き去りにして
メタセコイヤの森の果てへ消えていった
ヘリコプターが私を現実的な世界へと呼び覚ます
再び静寂だけが戻った午後の生田緑地
言えなかった  北見 薫   2023.7.30
 
言えなかった
ほんとうは素直になりたいと
声に出せなかった言葉
ここにもし君が居たら
もっと心は楽しかっただろうけれど
僕は恋して臆病になった
ほんとうは寂しい
ほんとうは悲しい
ほんとうは甘えたい
弱い自分がいた
でも多くを期待すると
残るのは悲しみ
だから言えなかった
津軽のお盆休み  高鳥奈緒   2023.7.29
 
厳かな津軽のふるさと
人々は亡き人を想う
心づくしの御膳を捧げ
敬いの御心で手を合わせ
死者の魂を呼び覚ます
 
夕暮れ時にお囃子が遠くに聞こえた
急いで窓から顔を出すわたし
今年もきたきた
町を練り歩くねぷた祭りの山車
色鮮やかで美しい力強い絵師の技
掛け声の威勢良さで盛り上がる
 
いつもは静かなリンゴの町も
今宵は死者魂と群衆の魂が一つになる
心を揺さぶる太鼓が鳴り響く
あっという間に通り過ぎていった
津軽のお盆休み…
化粧  高鳥奈緒   2023.7.29
 
何時ものように鏡の前で化粧する
化粧すると不思議ね
魔法のスイッチ入る
毎日、違う私を発見する
紅の色を変えたら
いつもと違う自分になれる
 
だからこそ色を変え角度変え色々と試すのよ
今日は、なりたい私に変身したかしら
 
私の顔ってどんな顔?
切ない瞳で貴方を見つめてもいいですか?