檸檬の恋人  高鳥奈緒   2023.7.7
 
一度きりの檸檬の恋人
赤レンガでデートした
恋に恋しただけの檸檬の恋人
 
こんな気持ちずっと忘れていたの
甘くてほろ苦い恋は檸檬味の恋
淡くて透き通ったビー玉みたいな恋
 
コロコロ弾んで転がった
遠くにベイブリッジの白いライン
空と海の青さに爽やかな風が吹く
 
この瞬間あなたに背伸びして
頬にキッスしたけれど・・・
檸檬の恋人は私の思い出の中
見えない愛  高鳥奈緒   2023.7.2
 
お互いに見えなくなった
想いはあるのに
近すぎて見えなくなった愛
ふたりの距離がわからなくてもがいた
大切なものは何だろう
少しずつ離れていったふたりの愛
偶然がもたらした必然のように
 
お互いに大切にしたい気持ちは置き去りに
答えが出る日までのサヨウナラと受け止めたい
失いたくないあなた
失いたくない今を
そのエゴと傲慢の執着を手放して
あなたを愛してやまない
わたしの愛し方
本当はサヨナラなんて言えない
きれいごとじゃないもの
あなたを失ってしまって何も味気ない日常
まるでモノクロ映画のように
本当に孤独になったわたし
 
恨みも呪いも迷いもなくて
わが身を裂く想いは
そっと時の流れに委ねたい
きっとあなたも苦しみのさなか
あなたのお幸せを祈りつつ
ふたりが出逢った日のように
またこの地球上で再び出逢う奇跡を信じて
自分に応援するよ  高鳥奈緒   2023.7.4
 
泣き言はみっともない
かっこ悪い
でも弱音を吐くことだって
時には許してください
明日からまた強くなるから
私は、誰のために生まれたのかな
私は、誰のために生きているのかな
 
自分の心地良さとは
自分のご機嫌とは
誰のためにじゃない
全部自分のせいだから
文句を抱えて生きたくない
また人の顔色を見てしまう悪い癖
自分らしくいたい
自分がないほど人に合わせる悪い癖
自信が持てなくて
誰かに背中を押してもらいたくて
期待する他人任せ風任せ
いつからか自分から逃げて諦めていた
でも、もうやめようそんな自分とサヨウナラ
 
小鳥が巣から勇気を出して飛び立つように
私も勇気を出して飛び立つよ
自由に開放して心の翼
私の青空に自由に飛び立つよ
私という人間に期待している
頑張れ自分
まだやれる遅くない
頑張れ自分
空高く夢見よう
人生は一度きりだから
初めての告白  高鳥奈緒   2023.7.7
 
放課後の体育館の裏で待ち合わせ
勇気を出して秘密の告白
怖かった恋の告白
卒業前にしてやっと打ち明けたけれど
あなたは微笑み浮かべて聞いていただけ
 
俺の気持ちはあえて言わない
明言を避けられた
分からないまま卒業した
偶然何処かでまた会えたらと願う気持ちも無惨
あれからいくつかの春が過ぎた
 
今更だけど、わたしはただ振られたのね
あなたの心の人ではなかったのは悲しいけれど
傷つけないように遠ざかるあなたの優しい思いやり
そんなあなたを好きになって良かった
わたしの初めての告白
空に癒されて  高鳥奈緒   2023.7.6
 
空ばかり見ていたあの頃
気がつけば空に癒されていた
同じようだけど
同じ空は二つとなくて
わたしは空の写真を夢中で撮影した
 
当たり前だけれど青空ばかりじゃない
灰色の空から涙の雨も降る
やがて雨はやんで虹のアーチがかかるのよ
何色ともいえないグラデーション
私は空が好き
 
海に沈む夕陽をずっと見ていた
まるで一つの舞台を見終わるような感動
そして舞台の幕は降り
夜のとばりへと私をいざなう
満天の星空がきらめき
ささやかな願いを祈る
満月はストロベリームーン
ロマンチックに乙女な気持ち
どれほど空からプレゼントを受け取ったかな
どれだけ生きる力を与えてもらったかな
時々小さな小石につまずくけれど
そんな時は空をみあげる
ちっぽけな悩みに気づく
空は常に心になにか語りかける
幸せも不幸もずっとじゃないよとつぶやく
空も同じじゃないのね
空に癒されて…
空にそっとありがとう